障害年金は手段であり目的ではないという話。
うつ病をはじめとする精神疾患での障害年金のご相談を毎日のようにうけていると、
障害年金を手段としてではなく、目的となってしまっている人がいます。
障害年金は、条件さえ満たせば支給されるわけですが、
本質的な目的は、傷病によって、就労能力や日常生活能力に支障をきたす場合の
生活保障の意味合いが強いと考えております。
しかし、昨今のコロナウィルスによる給付金の影響か、
申請すれば簡単に支給される制度と勘違いされているのか、
非常に、軽度な症状であるにも関わらず、申請をするための相談に来られたり、
不正受給と思われるご相談も増えています。
一生、働かずにお金が欲しい?
本来、通院し治療をする最終的な目的は、完治もしくは寛解をして、
社会復帰するところにあるはずです。
しかし、いつの間にか、通院をする目的が、障害年金の認定を受けるため、だったり、
障害年金を受給し続けるためだったりと、手段が目的化してしまっている方が非常に多いです。
精神疾患で障害年金を受給するのは、社会復帰までの手段であり、
目的ではないのです。
「一生、障害年金を受給し続けるにはどうしたらいいですか?」
なんて質問を平然としてくる人もいるのですが、この質問の裏には、
「私は、一生、病気を完治、寛解させるつもりがありません」
っと言っているのと同じです。
では、何のため病院に通院しているのですか?
と声を大にして言いたくなります。
もちろん、長い闘病生活の中で、治る見込みを感じられない方もいて、
このような質問をされる方もいるのは理解しています。
しかし、
年金は、現役世代が現在支払っている年金(多くは給料から天引きされる)によって、
現在受け取っている年金をまかなうという「世代間扶養」の仕組みによって成立しています。
あなたが受け取る年金は誰かが必死で働いたお給料から支払われているのです。
「一生、病気を完治、寛解させずに、働かずに年金生活をしよう」
なんて考え方は是非やめて頂きたいものです。